C4D【反射チャンネル】4:レイヤシステムを用いた作例

2019-07-04Cinema 4D by MAXON, マテリアル・テクスチャ

Cinema4D by Maxon Youtube Channelより

5:00~

レイヤシステムを使えば複雑な表現も可能となる。

車のペイント再現

たとえば、上のような車のペイントではより現実に近いマテリアル作成が必要となる。まず一番下に拡散反射の素材があり、上には仕上げ塗装のコーティングがなされている。レイヤシステムでは、現実と同じような方法でマテリアルを再現できる。以下が完成マテリアル。3つのレイヤで構成されている。

一番下のレイヤ(拡散反射)

「ランバート(拡散)」モデルを使うことで、拡散反射を表現。[鏡面反射強度]と[スペキュラ強度]を微調整。

真ん中のレイヤ(スペキュラハイライトの強調)

メタリックで、一番下のレイヤより鏡面反射度の高いレイヤ。

  • スペキュラを目立たせるために[表面粗さ]を高めの数値に。
  • [レイヤカラー]の色も下の層の色よりわずかに明るくすることでメタリック感を強調。
  • ハイライトスペキュラを引き出すために、ブレンドモードを[加算]に。

一番上のレイヤ(コーティングの表現:鏡面反射のみ)

  • コーティング(仕上げ塗装)の表現。鏡面反射(フレネル反射部分)のみを描画。
  • 誘電体のデフォルト屈折率「1.35」を使用。

以上で車の表面マテリアルは完成。

[異方性]を利用した鍋のヘアライン加工表現(異方性反射)

異方性反射anisotropicは方向性をもった反射。オブジェクトの表面に特定の方向に向かって微小なスクラッチがついている時に生じる。

シーン準備

  • 鍋のオブジェクトは、C4Dのコンテンツライブラリにある「Pot – Large」を用いる(Broadcast版プリセット所収)。
  • コンテンツブラウザ([ウィンドウ>コンテンツブラウザ])で、「pot」で検索。「Pot – Large」をビューポートにドラッグ&ドロップ。

  • オブジェクトマネージャで「Pot – Large」で「Lid(ふた)」と「top handle(持ち手)」を非表示に。

いまのままのマテリアル設定(反射モデル「GGX」、フレネル屈折率「1.35」)でレンダリングしてチェック。

  • エリアライトを一灯配置
  • 空オブジェクトの発光チャンエルにコンテンツライブラリのHDRI素材「softboxstudio white CB.hdr」を適用(IBL)
  • レンダリング設定:GI、AO、ガンマ「0.6」

異方性のマテリアルを適用

  • 新規マテリアル作成。[反射]チャンネルのみ有効。
  • [デフォルトスペキュラ]を削除。
  • [追加]メニューより新規レイヤを作成。[異方性]モデルを選択。

以下のように設定した。チュートリアル動画よりも[表面粗さ]を落とし[スペキュラ強度]をあげて金属感を出し、色をおちつかせるために[レイヤカラー]で[明るさ]を落とした。

[レイヤ異方性]

[レイヤ異方性]では、さまざま異方性のパターンを定義できる。

C4Dにおける異方性のパターンのプリセットは[パターン]より選択する。それぞれの場合を確認。「カスタム」の時は、テクスチャを読み込める。

放射状の異方反射

  • [再投影 Re-Projection]を「放射状 Radial」に。
  • 放射状の異方反射の中心点をUVの中心に配置する場合は[オフセットU][オフセットV]をともに「50%」に。
  • [パターン]を「なし」に。