R20新機能《フィールド》検証(その1)
Maxon Youtube Channelより
フィールドはR20から搭載された機能で、これまでのエフェクタにおける減衰機能にとってかわる機能。エフェクタだけでなく、デフォーマ、ウェイトをコントロールする形状としても使えて、減衰を組み合わせることで複雑なエフェクトも簡単に作成可能になった。
活用例の紹介 ~1:20
Christian Wolff (http://www.pixellusion.de/en/)による映像
チューター紹介
HELGE MAUSさん(Maxon認定インストラクター、pixel train)
シーンの準備 2:20~
マトリックスオブジェクトの作成([MoGraph>マトリクス])。以下のように属性マネージャでサイズを変える。
- マトリクスオブジェクトを選択した状態で、簡易エフェクトの適用([MoGraph>エフェクタ>簡易])
エフェクタの属性の復習 2:20~
エフェクタの属性マネージャでチェック。それぞれのタブを見ていく。
1:[エフェクタ]タブ
エフェクタの原動力(driver)を定義するタブ
簡易エフェクタでは、エフェクタに関する属性はエフェクタの強さや選択範囲のみだが、たとえばランダムエフェクタの場合は以下のように、ランダムエフェクタ自身を定義する箇所が現れ[ランダムモード]でランダムの数式を定義したり、サウンドエフェクタであればサウンドエフェクタの定義をする箇所が現れ[サウンド]でサウンドを読み込んで[振幅/周波数グラフ]で選んだ周波数バンドがエフェクタとして機能する。
- 簡易エフェクタの[エフェクタ]タブ画面
- ランダムエフェクタの[エフェクタ]タブの画面
- サウンドエフェクタの[エフェクタ]タブの画面
2:[パラメータ]タブ
[エフェクタ]タブで定義した強度で働くエフェクタが実際にどのように働くかを細かく定義するタブ。簡易エフェクタであれば、クローンに対する位置・スケール・回転による変形や色等を制御できる。
3:[減衰]タブ
エフェクタの効果が及ぶ範囲を制限するのが[減衰]タブの働き。エフェクタに3Dのマスクをかけるようなイメージ。
「フィールド」の基本操作 3:50~
- 簡易エフェクタの[パラメータ]タブで、[変形]の[位置]のP.Y.を「150cm」に。これで、すべてのクローンがY軸方向に150cm移動している状態になる。
- [減衰]タブに移る。R20でUIが一新され、名前も[フィールド]となった。
- 新規フィールドオブジェクトが「線形フィールド」であることを確認して、[フィールド]の「ダブルクリックで新規フィールドオブジェクト」のスペースでダブルクリック。
- 新規線形フィールドがされた。
フィールドのサイズ変更・回転・移動等はこれまでの減衰の操作と変わらず可能
変更点 4:50~
効果を制限する減衰がフィールドオブジェクトとして、減衰を適用しているオブジェクトから独立したオブジェクトになった。
- ひとつのフィールドを複数のエフェクタに適用することが可能に。
- 複数のフィールド効果をブレンドすることが可能に。
オブジェクトマネージャを見ると、簡易エフェクタの子に線形フィールドオブジェクトが作成されたことが分かる。
簡易エフェクタを動かせばフィールドオブジェクトもそれに追随する(親子関係)。
親子関係であることが必要ない場合には単独のオブジェクトとして扱える。作成した線形フィールドを上の階層に移動させればよい。
メニューから直接フィールドオブジェクトを作成することも可能([作成>フィールド])
メニューから直接フィールドオブジェクトを作成する方法 5:45~
- 実際に新たなフィールドオブジェクトをメニューから作成([作成>フィールド>線形フィールド])。
- さきに簡易エフェクタ内で作成したフィールドオブジェクトは削除する。
新たに作成した線形フィールドを簡易エフェクタに対し有効になるようにする。
- 注意!新規フィールドオブジェクトを簡易エフェクタの子にしてもフィールドのエフェクタへの働きが有効になるわけではない。
- 簡易エフェクタの[減衰]タブを開き、[フィールド]リストにドラッグ&ドロップ(リストの入力)
フィールドオブジェクトの属性マネージャ[フィールド]タブで、タイプを変更可能。
ひとつのフィールドオブジェクトを複数のエフェクタに対して有効にすることができる。またエフェクタ以外にもデフォーマ、頂点マップ、選択範囲タグのいずれに対しても働くことができる。
註:フィールドリストを持つオブジェクトとタブ
- MoGraphエフェクタ…減衰の加算、乗算を使って複数のエフェクトをリンクができる。フィールドはエフェクタを通じて色や向きを指定できる。
- デフォーマオブジェクト(デフォーマオブジェクトを子オブジェクトとするクローナーオブジェクトと分離フィールド:フィールドはデフォーマオブジェクトだけに影響し)…モデリングやアニメーション用にデフォーマを使用している場合でも、フィールドを使って変形の強度度を調整できる。
- ボリューム(ボリュームビルダー)
- パーティクルモディファイア
- 頂点マップ、頂点カラータグ
- Mograph 選択範囲とウェイトタグ
- ポイント、エッジ、ポリゴン選択範囲タグ
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フィールドの基本的な操作 7:20~14:50
簡易エフェクタの属性マネージャにおけるフィールドについて見ていく
- フィールドリストのフィールド名の左のチェックボックスで効果のON/OFFを切り替えられる。
- フィールド名はダブルクリックして名前変更が可能。
- 値/カラー/方向アイコンは、フィルタを表示する機能があり、例えばカラーに効果がないすべてのレイヤを無効にする。
補足:R20におけるMoGraphの新カラーワークフロー
エフェクタの属性マネージャにおける[パラメータ]で新しく「フィールドカラー」という項目が増えた。この項目を選択していると、フィールドの効果の強度が色によって確認できる。
フィールドの属性タブ
フィールドの属性タブを使うメリットにキーフレームアニメーションが可能になることが挙げられる。
[合成Blending]タブ
[フィールド]タブ
[リマップ Remapping]タブ 10:15~
- カーブの形を変えると、フィールドの効果のかかり具合も変わる。
- [強度][内部オフセット][最小][最大]それぞれ値を変えて確認する。
等高モード Contour Mode
等高モード「2次 Quadratic」
等高モード「ステップ Step」
「ステップ数」は一定。最大値・最小値を変えても「ステップ数」は変わらない。
例)ステップ数「8」、最大値「0%」→「100%」
等高モード「量子化 Quantize」
「ステップ数」で定義するのは離散値の制限数(最大値100%のときの値)。最大値・最小値を変えると量子化するステップの数は変化する。
例)ステップ数「8」、最大値「0%」→「100%」
等高モード「カーブ Curve」
スプラインで値を変換。スプラインは自由に編集できる。調整ハンドルを利用。制御点を追加したい場合はスプライン上で「Ctrl+クリック」。
12:10~
- 簡易エフェクタの「線形フィールド」を一度、削除する。
- 新規フィールドを作成する。まず、フィールドのコンテクストメニューの「線形フィールド」の右下の黒い三角形からフィールドオブジェクトメニューが現れる。
- 「球体フィールド」を選択し、新規作成。
- ビューポートでハンドルを使って球体フィールドのサイズを大きくする
- フィールドの属性で各パラメータをいじり、どのように変化するかチェックする。
- フィールドの「値」をクリック(下図参照)して、値をOFFにする。
値がOFFの状態で、色がついているのが分かる。この色を変更していく。
- [カラーリマップ]タブをクリック。
- 選択したい色に変更する。チュートリアル動画では赤色に変更している。
- [リマップ]タブに戻り、内部オフセットのパーセンテージを変更し、ビューポートでフィールドの及ぶ範囲が色で示されていることを確認。
白い部分を変更してフィールドの及ぶ範囲をより明確に分かるように色をつけていく。
- [カラーリマップ]の[カラーモード]からグラデーションを選択。
[グラデーション]のノットをクリックして、グラデーションの色を変更する。
- 「値」をONにすると、以下のようにフィールドの効果の強度によって色がマッピングされているのが分かる。
ここまでが、フィールドの基礎となる。
次から、複数フィールドの混合をみていく。
(続く)